医院ブログ

FELIZDENTAL

2019.04.04更新

少し前の内容になりますが、2016年に歯科界で驚くような情報が流れました。

 

デンタルフロスには虫歯、歯周病の予防効果がない!?

 efloss

 

ufloss

 

初めて聞いたときは私も驚きました。しかし、この内容を詳しく調べると・・・

 

アメリカのAP通信がデンタルフロスの効果について調べたところ、その効果を裏付ける十分なエビデンスはないということを発表しました(エビデンスとは?解説はこちら)。過去の研究25件を再度詳しく調べたところ、そのデータからは虫歯・歯周病予防効果を実証するのは難しいとのことでした。フロスの使用法が正しく理解されていなかったことも原因にあるようです。

 

では本当にデンタルフロスは虫歯・歯周病予防に効果がないのでしょうか?

 

そんなことはないと思います。私たち歯科医師がフロスを患者さんに薦め、患者さんもフロスの効果を実感しています。アメリカ合衆国の政府も長年にわたってフロスの使用を推奨していました(今回の件でフロスについての記述を削除しました)。おそらくフロスの虫歯・歯周病予防効果はあまりにも当たり前すぎて、科学的、疫学的に研究されてこなかったのではないでしょうか。AP通信でも、フロス全否定ではなく、効果を証明する疫学的根拠が低いだけと言っています。

 

今後、使用法が統一されたうえでの調査が進み、研究論文が増えていけば、デンタルフロスの虫歯・歯周病予防効果は証明されていくでしょう。

フロスを通すと歯と歯の間がスッキリきれいになっているのは実感できますもんね。

(デンタルフロスの使用法はこちらのページ下のリンクを参考にしていただければと思います。)

 

「予防に勝る治療なし」

 

院長

投稿者: 片木歯科医院

2019.03.28更新

今回は、私たち歯科医師がどのように治療法を選んでいるかお話したいと思います。

 

一昔前、雑誌などを読んでいると、「これを飲めばガンが治る!」みたいなものを見たことはありませんでしたか?当然、健康な人がそれを見れば、「治るわけないじゃん」と思うでしょう。でも状況が変わり、現在、癌と戦っている方からすれば可能性を信じて試そうとするかもしれません。

 

ここで医療に携わる人間が治療法を選ぶ際に考えるのは、

 

Evidence based Medicine=根拠に基づいた医療

 

かどうかということです。

「Evidence・エビデンス」とはなんでしょうか?医療系では、根拠、証拠、証言という感じで訳されます。前のブログの『フィルタ』の話でも出てきましたが、『医学論文によって証明されていること』がこれにあたります。ここから大きく逸脱したものは治療・医療ではなく、民間療法の範疇になるということです。

 

実際に、現在日本では上記の例ような「これを飲めばガンが治る!」のような広告は根拠がないので規制の対象になりますし、「私の言うことを信じていれば癌は治る」と洗脳し病院に行かせなかったとして逮捕された人もいます。

 

長い時間をかけ研究し、様々な統計を取り、学会で発表され、世界で読まれている論文というのは大変価値のあるものです。これらが積み重なり、私たちの治療・医療につながっていると思うと本当に先人に感謝しかありません。私は慎重な性格というのもありますが、最新の治療というものをすぐにはやろうとしません。Evidence baced Medicineかどうかをまずは検証し、ある程度のエビデンスが認められればその治療法を採用することにしています。歯科医院で民間療法をやるわけにはいかないですからね。

 

ですから、残念ですが、片木歯科医院には「この水でうがいをすれば歯周病が治る!」というお水はありません。

 

ちなみに正露丸をむし歯の穴に詰めても治癒はしません。穴は一時的にふさがってしみなくなるでしょうが・・・。

早めの受診をお薦めします。

 

「予防に勝る治療なし」

 

院長

 

投稿者: 片木歯科医院

2019.03.22更新

少しずつ暖かくなり、過ごしやすい気候になってきましたね。医院の近くの桜も咲き始めました。

 

201903221

医院の近くのぼちぼち長屋さんの桜は、毎年このあたりで一番早く咲きますね!

 

さて、普段の診療中のことですが、患者さんから様々な質問をいただくことがあります。私に聞かなくても、歯科関連の情報をインターネットで調べれば、ある程度のものは検索できます。ただしその情報が正確なものであるかというと・・・、微妙ですね。

これだけ情報があふれているのに、正確なものを見つけるのは難しい。昔は知識が多いというのが武器でしたが、これからは正しい情報を見つける能力のほうが武器になりそうです。

 

なぜ、インターネットの情報が正しいものでなくなってしまうのでしょうか?

 

それはインターネットの普及により、多くの人々が情報発信しやすくなったからでしょう。自分の思ったこと、感じたことが簡単に発信できてしまう。当然、裏付けのない情報も発信できてしまう。商業的に自分の都合の良い情報だけを使い、誘導しているケースもあります。読み手側に、正しい情報なのか確認する『フィルタ』が無ければ、間違ったものでも正しいと錯覚してしまう。

 

『フィルタ』

 

医学の分野でいえば、『フィルタ』=『医学論文によって証明されていること』です。テレビで、「ホンマでっか!?TV」って観たことありませんか?難しい内容も面白おかしく紹介されていて、私も好きな番組です。その中で学者の先生たちはよくこう話し始めます、「◯◯大学の研究によると・・・」。これが『論文によって証明されていること』です。なので学者の先生たちは、裏付けのある正しい情報を自信をもってテレビで発信できるのです。

 

じゃあ、患者さん自身が学者になれば『フィルタ』が手に入るのでしょうか?手に入ると思いますが、得意分野はひとそれぞれだと思いますし、時間と労力、お金の無駄でしょう。そのときは、それぞれの分野の専門家を見つけておけばよいのです。

 

歯の物知りおじさん、ここにいますよ。

 

私も一応、歯科の大学院を修了し歯学博士なんです!そうは見えないかもしれませんが・・・。私をフィルタとして使っていただければよいのです。なので、診療中に質問していただくのは、正しい情報にたどり着く最短コースを知ることになるのです。

 

でも、かかりつけ歯科医院がある方は片木歯科医院に来られないですし、行ってまでして聞くのもなぁ、ってこともあります。インターネットで検索して、自分の都合の良い情報だけを信じたくなります、でも遠回りしたうえに迷子になってしまうかも・・・。

 

今回、ブログに【歯のウソホント!?】というカテゴリをつくりました。【歯のホンマでっか!?】としたいところですが、パクリになりそうですし、番組が終わってしまったら過去のものになってしまいますからね。ここでは、できる限り医学論文に裏付けされた情報を発信できればと思います。かなり不定期、かつ一気にドバっとアップするかもしれませんが、たまーに読んでいただければ幸いです。

 

歯科の知識を手に入れて、デンタルIQを高めましょう!!

きっと人生バラ色になるでしょう!!(歯が白色になる程度!?)

 

「予防に勝る治療なし」

 

院長

 

投稿者: 片木歯科医院

2018.06.27更新

指しゃぶり、気になるお母さん多いのではないでしょうか?

 

当院では3歳くらいで指しゃぶりがかなりの頻度である子にはお話することがあります。

 

何が良くないかと言いますと、親指をくわえるお子さんは上の前歯が出っ歯になってしまうということです。それだけではなく上あご自身も余分に成長してしまうので大変なのです。

 

指しゃぶりの説明はこれくらいにして今日は指しゃぶりのやめ方についてです。

 

まずは歯医者さんで相談が一番良いでしょう。

当院ではいろいろお話をして、指しゃぶりしないようお子さんと約束します。これで改善できればいいのですが、そう簡単にはいかないです。やめなさい!と強く怒るとさらに指しゃぶりをすることもあります。

 

次のステップには、これがお薦めです!

 ゆびたこ

  ゆびたこ(くせ さなえ ポプラ社)

 

実は私も患者様から教えていただきました。

うーん、なかなか強烈な絵ですよね!夢に出てきそう・・・。この本でやめられたという子も結構いますね。読み聞かせする時、名古屋の方にはちょっと大変です。

指のたこが関西弁なのです!

きっと関西圏の方は感情をこめて読めるでしょう。何とかやめさせたい!という焦りもあると思いますが本の最後の言葉に安心させられることでしょう。

 

それでもやめられないというときは、こういうものがあります。

 バイターストップ

 

バイターストップという、驚異的に苦いマニキュアです。

ただし使い方にコツがありますので使用法を教えてくれる歯医者さんに相談することをお勧めします。まぁ、最後の手段ですね。

 

お父さん、お母さん

くれぐれも指しゃぶりを怒らないようにしてくださいね!

 

「予防に勝る治療なし」

 

院長

 

投稿者: 片木歯科医院

2018.06.26更新

最近、「AI」という言葉をよく聞くようになりましたね。

 

難しい定義はわからないのですが、簡単に言うと「知的行動を人間に代わって機械がやってくれる」

人工知能(artificial intelligenceの略)のことですね。

 

ついに歯科にもAIの波がやってまいりました!

 

 といっても一般の診療所で利用されているわけではありません・・・。まだ研究段階です。

 

「歯科エックス線における診断AIの開発」

(医療法人葵会とメディホーム株式会社の共同研究開発による)

 

aiパノラマ

  出典:メディホーム株式会社 プレスリリースより

 

簡単に説明しますと、診断AIが、お口の中全体を見るレントゲン写真から自動的に虫歯、根っこの膿の袋、歯石などを検出してくれるというものです。それも0.018秒で!人間には絶対できないですね。

 

レントゲンの読影は歯科医師の経験によって差が出ることがあるため、正確な読影による診断に基づく「医療の標準化」及びAIによる「ダブルチェック」が可能になります。これにより診断の質の向上、歯科医師の負担軽減が期待できます。

 

このような技術が今使用しているレントゲンの装置に搭載されるといいですね。歯科レントゲン機器の会社様、よろしくお願いします!

 

「予防に勝る治療なし」

 

院長

投稿者: 片木歯科医院

2018.06.25更新

学校からのプリント、たくさんもらってきますよね?

その中に歯科検診の紙が入っている子もいたのではないでしょうか?

 

6月4日は虫歯予防デーです。6(む)4(し)ということですね。このあたりで紙をもらってくることが多いです。

 

チェックが入っているとすると虫歯、歯肉炎、歯並びあたりでしょうか。

 

ではチェックが入っていた子は、いつ歯医者にいけばよいのでしょうか?

 

「今でしょ」(今さら!?)

ですね。

 

虫歯にチェックが入っていた子!

特に乳歯の虫歯は進行性のものが多く発見されて数ヶ月でぼっこり大きな穴になっていることもちらほら。

当院でも、数か月前のフッ素塗布で見られなかった虫歯がいきなり発見されることも。それだけ進行がはやいということ。

もし学校で検診が行われたのが4月だとすると、紙をもらった時点で2か月経っています!神経の治療に移行すると通院回数も一気に増えます。

早期の受診をお薦めします。

 

歯肉炎にチェックが入っていた子!

歯肉炎はプラークの取り残しによって歯茎に炎症や腫れを起こしている状態を言います。プラークを取り除けば歯肉炎は改善します。

が、

取り除いたプラークの下に虫歯が隠れていることがあります!プラークの中には虫歯菌も含まれているのです。ここにチェックがあるということは虫歯の可能性もあるということです。

早期の受診をお薦めします。

 

歯並びにチェックが入っていた子!

本人は矯正を嫌がっているし、お父さんの転勤の可能性もあるし・・・。

通い続けるのはなぁ。今はまぁいいか。

よくありません!

矯正治療は始める時期が大切です。子供の矯正は成長を利用して治療します。成長が止まってしまえば治療時期を逃してしまうことも。

治療する、しないは自己判断ではなく、一度、いつもの歯医者さんか、矯正歯科さんで話を聞いて、それから判断してもいいのではないでしょうか?

歯並びは将来の虫歯、歯周病のリスクに大きく影響してきます。

早期の受診をお薦めします。

 

早期の受診を・・・

と言ってはいますが、子供ひとりで歯医者に行って一人で帰ってくることはありません。

お父さんお母さんにお願いです。

歯科検診の紙をもらったら必ず歯医者に連れて行ってあげてくださいね。

 

「予防に勝る治療なし」

 

院長

 

投稿者: 片木歯科医院

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